防災と家族をテーマにしたおすすめ書籍ベスト15

防災と家族おすすめ書籍ベスト15

大切な家族を守るために、もしもの災害に備えておきたい――そんな思いで手に取れる本を15冊厳選しました。

実用的な防災知識から、災害を経験した家族の物語まで、多彩なジャンルをバランスよく紹介します。

どの本にも「家族のつながり」「命の大切さ」が深く刻まれており、読み終えれば心が動かされ、防災への意識がきっと高まるはずです。

それでは、防災士の目線で心を込めて綴るおすすめ書籍ベスト15をご覧ください。

  1. 『津浪と人間』寺田寅彦(随筆) – 1933年の昭和三陸地震津波を受けて書かれた名随筆です。

    寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやって来る」という有名な言葉を遺し、人々が時の経過とともに災害を忘れてしまう性(さが)を指摘しました。

    毎年津波が来るなら準備もできるでしょうが、数十年経てば当時を知る人は減り、警告の石碑も忘れ去られる…そんな人間の油断への戒めが綴られています。

    家族の命を守るには、記憶を風化させず備えることが肝心だと、静かな筆致ながら胸に響く一冊です。
  2. 『東京防災』東京都(防災ガイド) – 東京都が全世帯に配布した黄色い防災ブック。

    地震・台風・火山などあらゆる災害への備えと対応策が網羅されており、まさに家庭に1冊の防災教科書です。

    家具固定の方法から非常持出袋のチェックリスト、発生直後の行動までイラスト豊富に解説されています。

    「難しそう…」と敬遠せずパラパラ読むだけでも、家族を守るために今何をすべきか見えてきます。

    いざという時焦らず動けるよう、日頃からこの本でシミュレーションしてみませんか?
  3. 『東京くらし防災』東京都(防災ガイド) – 女性の視点で日常生活に防災を取り入れるヒントが詰まった一冊。

    誰もが日常で無理なく取り組める防災アクションを提案し、女性はもちろん高齢者・障がい者・子ども・外国人など多様な立場での備えもカバーしています。

    例えば「防災習慣」のチェックリストや、避難所での授乳・衛生対策などきめ細かな内容が特徴です。

    「私にもできる備え」がきっと見つかり、家族で防災について話し合うきっかけにもなる心強いガイドブックです。
  4. 『全災害対応!子連れ防災BOOK』ママプラグ(実用)赤ちゃんや子どもを守るにはどう備える? 1223人もの被災パパママのリアルな経験と知恵を結集し、幼い子のいる家庭に本当に必要な防災を一冊にまとめた本です。

    ミルクやおむつの備蓄、家族がバラバラの時どう合流するかなど、親だからこそ直面する課題に具体策が満載。

    NPO法人ママプラグによる企画で、「いざ」という時に子どもの命を守る力を授けてくれます。
    「家族みんなで乗り越える防災」がテーマの、愛情あふれるガイドブックです。
  5. 『レスキューナースが教えるプチプラ防災』辻直美(実用) – 国際災害レスキューナースである著者が伝授するお金をかけない防災術

    専門家ゆえ自宅は本格的グッズだらけかと思いきや、実は100円ショップのグッズを駆使しているのだとか。

    たとえば懐中電灯代わりの安価なライト、ゴミ袋で作る簡易トイレなど、「これでいいんだ!」と目からウロコのアイデアが満載です。

    家計に優しく、今日からすぐ真似できる工夫ばかりなので、主婦目線でも楽しく読めます。備えは高価な防災セットだけじゃないと教えてくれる一冊です。
  6. 『クロワッサン特別編集防災の基本。』マガジンハウス編(実用) – 女性向け生活誌「クロワッサン」の防災ムック。「怖がりすぎず、正しく恐れて備えよう」というスタンスで、最新情報を選び取り日常に活かす知恵を教えてくれます。

    まず押さえたい備えの5原則に始まり、家族で決めておく7つのルール、ペットの防災や自衛隊直伝のサバイバル収納術まで内容は多岐にわたります。

    非常時のトイレ・睡眠・食事対策も具体例たっぷりで、「自分に合った防災スタイル」を見つけられるのが魅力です。

    読みやすくおしゃれな誌面で、防災初心者でもスッと入っていける良書です。
  7. 『避難所に行かない防災の教科書』西野弘章(実用) – 「災害時は避難所に行くもの」という常識を覆す、新発想の防災本。

    著者は自らの被災経験から、自宅の安全度を高めて自宅で過ごす「在宅避難」という選択肢を提唱します。

    停電・断水が長引いても車から電源を取る、雨水でトイレを流す等のDIY技術や、本当に役立つ備蓄品、非常時の簡単レシピまで実践ノウハウが盛りだくさん。

    「災害から家族を守ってくれる家」を作るという視点がユニークで、家族と住まいを見直すきっかけになる一冊です。
  8. 『また次の春へ』重松清(小説) – 東日本大震災を題材に、重松清が紡いだ7つの小さな物語からなる短編集です。

    突然家族を失った人々の喪失の悲しみと、それでも訪れる次の春への祈りが優しく描かれています。

    小学3年生の少年が避難所で父と作った特製の豚汁の思い出、被災地に縁のある青年の葛藤など、それぞれの家族のエピソードが胸に沁みる内容です。

    「悲しい出来事をテレビ越しに見ているだけでいいのか?」と問いかけるような物語もあり、読むほどに命の重さと再生への希望が心に灯る感動作です。
  9. 『ムーンナイト・ダイバー』天童荒太(小説) – 3.11後の福島の海を舞台にした鎮魂と祈りの物語。

    津波で町ごと海に沈んだ地域で、大切な人の形見を海の底から探し出そうとする男がいます。

    汚染された禁断の海に、彼は月夜に紛れて潜水し、遺された思い出の品を引き上げようとするのです。

    危険を冒してでも遺族の心に寄り添おうとする姿は痛ましくも崇高で、読んでいて思わず祈る気持ちに。

    深い悲しみへの鎮魂と、生きることへの祈りが込められた傑作長編で、家族を想う気持ちの尊さに胸が震えます。
  10. 『マリと子犬の物語』 (小説) – 2004年新潟県中越地震で生まれた実話を元にした感動ストーリー。

    村で起きた大地震で離れ離れになった母犬マリと3匹の子犬、そして人間の家族の絆が描かれます。

    家族同然の愛犬を残して避難しなければならない苦渋、崩壊した村で子犬たちを守り抜くマリの健気さ…。

    「大切なものを守る強さ」と「家族の絆」に何度も涙がこぼれるでしょう。

    フィクションですが事実を基にしており、極限下での人と動物の温かな絆に心打たれます。

    命の尊さを教えてくれる一冊として、家族みんなに読んでほしい物語です。
  11. 『神戸在住』木村紺(漫画) – 阪神・淡路大震災を経験した神戸の街を舞台に、一人の女子大生と周囲の人々の日常を丁寧に描いた傑作コミックです。

    ただの青春マンガと侮るなかれ。

    幼少期から大人へと成長する主人公の姿を通して綴られる物語は、まるで文学作品のように深みがあります。

    震災当日の描写は凄惨ですが、その後の日々の中で交わされる家族や友人との何気ない会話や温もりが胸に染みるんです。

    悲しみだけでなく笑いや発見もあるストーリーに、きっと心を揺さぶられるでしょう。

    「生きていること」の愛おしさを静かに実感させてくれる名作です。
  12. 『クレヨンしんちゃんの防災コミック地震だ!その時オラがひとりだったら』臼井儀人ほか(漫画) – 国民的キャラクター、しんちゃんと一緒に楽しく学べる防災マンガ。

    留守番中の野原しんのすけが退屈していると、突然ドーンと大地震が発生!

    ひとりぼっちのしんちゃんはどんな行動をとればいいのか?何を準備しておけばよかったのか?

    物語を追いながら自然と身についていきます。

    大人も子どもも笑いつつ真剣に読めて、巻末には持ち出し袋チェックリストや通信手段の解説も充実。

    家族みんなで「もしも」を話し合うきっかけになる、楽しくて頼もしい一冊です。
  13. 『地震のはなしを聞きに行く父はなぜ死んだのか』須藤文音(ノンフィクション) – 東日本大震災の津波でお父様を亡くした著者が、胸に残った疑問「なぜ父は死んだのか」を解き明かすため旅に出ます。

    地震学・地震考古学・防災学の研究者たちを訪ね歩き、地震の仕組みや歴史を教わりながら、父の最期に向き合っていく過程は読む者の心を揺さぶるドキュメントです。

    科学的な知識が増えると同時に、娘さんの葛藤や成長に思わず涙…。

    「家族を失う悲しみ」と真正面から向き合い、そこから得た教訓が静かに胸に迫ります。

    防災を学ぶことの大切さと、家族の愛の深さを教えてくれる珠玉の一冊です。
  14. 『想像ラジオ』いとうせいこう(小説) – 突如日常を奪われた人々の魂の声を電波に乗せて届ける、不思議なラジオ番組のお話。

    「杉の木のてっぺんから、“想像”の電波でお送りしています…DJアークです」という架空の放送が、震災で亡くなった人たちの声をそっと伝えてくれるのです。

    現実には聴こえないはずの声に耳を傾ける登場人物たちと読者自身が、不思議な優しさに包まれていきます。

    三島由紀夫賞受賞・芥川賞候補にもなったベストセラーで、読むほどにじんわりと心に染み入る名作。

    大切な人を想う気持ちと向き合い、生きている私たちに何ができるのかを静かに問いかけてきます。
  15. 『希望の地図 3・11から始まる物語』重松清(ノンフィクションノベル) – 引きこもりの中学生とフリーライターの男性が、震災後の東北を取材して歩く旅物語です。

    被災地で懸命に前を向く人々との出会いを通じて、少年は少しずつ心を開き、読者もともに再生への希望を見出していくでしょう。

    実際の復興プロジェクトや企業の取り組みも織り込まれ、教科書でも推薦されるほど内容は濃く、それでいて重松清ならではの温かな筆致が光ります。

    ページをめくるごとに、悲しみの中に芽生える希望の光が心に灯るはず。読後にはきっと、「家族と未来を大事にしよう」という前向きな気持ちが湧いてくる一冊です。

以上、防災と家族をテーマにした15冊をご紹介しました。

防災のハウツー本から胸を打つ物語まで、それぞれ異なる角度から「もしもに備えること」「家族の絆の大切さ」を教えてくれます。

どの本も読んで終わりではなく、きっと明日からの行動につながるはずです。

大切な家族を守るために、そして平穏な日常のありがたさを噛みしめるために、ぜひ興味の湧いた本から手に取ってみてください。

日々の暮らしの中で防災を意識し、家族で支え合える安心を少しずつ築いていきましょう。

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